活血化瘀

瘀血(血瘀ともいいます)は、気鬱などに伴い血が停滞することによっても発症しますが、逆に瘀血があることにより気鬱などが発症することもあります。

西洋医学でいう血栓や塞栓のほか、内出血も瘀血に該当します。

 

瘀血を改善することを活血といいます。

活血には、行血(血をめぐらせることで瘀血を改善)、破血(抗凝血や血栓を溶かすことで改善)、和血(血液循環を順調にすることで瘀血を改善)の3つがあります。

 

1 川芎:せんきゅう

<対応する証> 瘀血、気鬱

<神農本草経> 中品

<東洋医学的効能> 行気活血、燥湿捜風

<西洋医学的薬理作用> 中枢抑制作用、鎮痙作用、鎮静作用、末梢血管拡張作用、抗血栓作用、血液凝固抑制作用、抗菌作用、抗ガン作用、抗補体活性、抗酸化作用、肺気腫予防作用、抗腎炎作用、腎血流量増加作用

<代表的な漢方薬> 温経湯、温清飲、女神散、当帰芍薬湯、芎帰調血飲、治打撲一方、疎経活血湯


川芎は、当帰と同じく「婦人病の要薬」といわれ、婦人科領域で良く使用される生薬です。

当帰はおもに血虚に効果があり、弱いながら瘀血に効果がありますが、川芎は主に瘀血に効果があります。

川芎は行血作用があり、行気活血とは、気鬱となっている状態を気の運行を改善することにより瘀血を改善するという意味です。

燥湿捜風とは、風寒湿があり血が滞っている状態に対し、風寒湿を改善することにより瘀血を改善するという意味です。

 

2 延胡索:えんごさく

<対応する証> 瘀血、気鬱

<神農本草経> 記載なし

<東洋医学的効能> 行気活血、治諸痛

<西洋医学的薬理作用> 抗炎症作用、鎮痛作用、中枢抑制作用、鎮静作用、鎮痙作用、冠状動脈拡張作用、抗消化性潰瘍作用、抗アレルギー作用

<代表的な漢方薬> 安中散


延胡索は行血作用により瘀血を改善する作用があります。

このほか延胡索は、各種の痛みに効くということで最近注目を集めています。

行気活血とは、気鬱となっている状態を気の運行を改善することにより瘀血を改善するという意味です。

延胡索は、治諸痛といって各種の痛みの改善に有効です。


3 紅花:こうか

<対応する証> 瘀血

<神農本草経> 記載なし

<東洋医学的効能> 活血養血(少量)、破血行瘀(多量)

<西洋医学的薬理作用> 抗炎症作用、鎮痛作用、鎮静作用、血圧降下作用、冠状動脈拡張作用、心筋虚血改善作用、抗血液凝固作用、微小循環改善作用、子宮興奮作用

<代表的な漢方薬> 通導散、治頭瘡一方


紅花はいわゆるベニバナのことです。

紅花は活血養血といって、瘀血を改善し、新たに血を作る作用のことです。

破血行瘀は破血(抗凝血や血栓を溶かす)によって瘀血を改善するという意味です。

紅花は全身に散在する瘀血に有効です。

なお、次の桃仁は下腹部の瘀血に有効です。

なお紅花は多量に摂取すると出血傾向となるため注意が必要です。


4 桃仁:とうにん

<対応する証> 瘀血

<神農本草経> 下品

<東洋医学的効能> 破血散瘀、潤燥通腸

<西洋医学的薬理作用> 抗炎症作用、鎮痛作用、血管拡張作用、血液凝固抑制作用、血栓溶解作用、活性酸素消去作用、抗アレルギー作用、通便作用

<代表的な漢方薬> 桂枝茯苓丸、桃核承気湯、疎経活血湯、潤腸湯


桃仁はその名のとおり、桃の種です。

桃仁は、破血散瘀といって破血作用により瘀血を改善します。

なお破血作用とは、抗凝血作用や血栓を溶かす作用のことです。

桃仁は下腹部の瘀血に有効であるのに対し、紅花は全身の散在する瘀血に有効です。

潤燥通腸とは、血虚などにより腸が乾燥している状態を潤すことにより便通を改善するという意味です。