なぜ、漢方薬?

なぜ、今、漢方薬なのか?

なぜ、僕はホームページ・ブログで漢方薬のことについて発信しているのでしょう?

 

現在は21世紀です。

パソコンやスマートフォンのなど、人類はかつてないほど文明が進歩しています。

 

対して東洋医学はかなり古いものです。

2000年以上前のものです。

西洋医学も進歩しています。

医療器械も進歩しています。

それならば東洋医学ではなく、西洋医学をもっともっと普及させるべきではないでしょうか?

 

この答えは、西洋医学ではお手上げでも、東洋医学を用いた漢方薬であれば改善することが実はかなりよくある、からです。

 

僕は整形外科として勤務しておりますが、実は整形外科領域以外の疾患の患者様も受診されます

具体的には、頭痛、便秘、冷え性、生理痛、更年期障害、めまい、数年続いているしゃっくり、などなどです。

 

どうでしょうか? 西洋医学ではなかなか良くならないけれど、これらに悩まれている方は多いのではないでしょうか。

 

実はこれらは漢方薬であれば良くなることがあります。

というより、基本的には、かなり良くなります! 

整形外科医がこんなことを言っては担当の科の医者に怒られてしまいますが・・・

 

では、なぜ、僕は整形外科領域以外の、しかも治療が難しいと思われている疾患をよくできるのでしょう?

 

答えは、東洋医学には西洋医学のような専門の科が存在しないからです。

 

東洋医学には、整形外科はありません。

内科も婦人科もありません。

あるのは、東洋医学、という医療大系だけです。

おそらく、例えば江戸時代では、「僕は内科専門だから整形は診ないよ」という医者はいなかったのだと思います。

もともと医者の数が少なかったでしょうから、全ての科を網羅していたでしょう。

 

つまり、ある程度東洋医学を勉強すると、西洋医学でいうところの色々な専門の科の治療ができる、ということなのです。

逆に言うと、全身を診ることができなければ、漢方薬で治療することはできません

 

ここで質問です。

東洋医学は医者だけが勉強できるものでしょうか? 

もっと言うと、医者だけのものでしょうか?

 

違いますね。

東洋医学はみんなのものです。

 

日本人、そして中国人が長い歴史の中で作り上げてきたものです。

1つの文化です。

 

ですから、みなさんにも知ってもらいたいのです。

そして、みなさんが、自分たち自身で漢方薬を知り、そして、自分たち自身で自分の体調をコントロールできるようになって欲しいのです。

 

皆さんの体をいちばんよく知っている人は誰ですか?

 

医者ですか?

いえ、医者は採血などのデータやレントゲンなどの画像しかわかりません。

 

では、もう一度聞きます。

皆さんの体をいちばんよく知っている人は誰ですか?

 

答えは、みなさん自身です。

 

次の時代の医療は、医者がメインの医療ではなく、みなさん自身がメインになる医療になる、僕はそう考えています。

 

それが、「長寿と超健康」の唯一の道だとも考えています。

ですので、小冊子・ブログ・ホームページで発信することにしました。

東洋医学独自の効力:①温めることが可能

東洋医学には独自の効力があります。

これらは西洋医学にはありません。

これが東洋医学でしか良くならない症状がある理由です。

 

1つめは、温めることが可能、ということです。

西洋医学では炎症を鎮め、解熱することは得意です。

しかし、逆に「温める」ことが全くできません。

 

冷えは万病のもと、と言われます。

その通りだと思います。

冷えてしまうと血行が悪くなり、老廃物の運搬が滞ります。

そうなると老廃物が溜まっていくことになりますから、良くないです。

 

また、冷えて体温が下がると白血球の活性が低下することが知られています。

白血球は細菌などを退治するほか、がんを抑える作用があることもわかっていますので、白血球の機能が低下することは良くありません。

 

東洋医学はこの冷えに対応できます。

東洋医学はこの「冷え」を「寒証」と呼びます。

さらには、体の表面か四肢末端の冷え「表寒」といい、体の中央の内臓の冷え「裏寒」といいます。

 

「表寒」に対応する有名な薬が、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

「裏寒」に対応する有名な薬が、真武湯(しんぶとう)です。

東洋医学独自の効力:②補うことが可能

東洋医学は、補うことが可能です。

西洋医学でも血・水が足りなくなった場合をそれぞれ貧血・脱水としてある程度対処することができます。

具体的には輸血と輸液です。

 

でも、西洋医学でできるのはここまでです。

気虚という体力が低下した状態腎虚という生命力が低下した状態には対応することはできません。

 

東洋医学はできます。

これら不足している状態を改善する漢方薬の事を「補剤」と呼びます。

 

具体的には、気虚には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)六君子湯(りっくんしとう)

血虚には四物湯(しもつとう)あるいは四物湯を基本として発展させた漢方薬。

腎虚には八味地黄丸(はちみぢおうがん)などがあります。

東洋医学独自の効力:③瘀血に対応することが可能

東洋医学は、瘀血に対応することが可能です。

 

瘀血。

初めて聞く言葉だと思います。

瘀血とは、血の流れがよどむことを言います。


たとえば、下腿に静脈瘤ができて痛い。

生理痛(子宮内に血が溜まっている状態)で痛い。

ケガをして内出血した場所が痛い。

これらが瘀血です。

 

西洋医学でも末梢循環障害という概念はありますが、東洋医学の瘀血はこのようにもっと広い概念です。

さらに、瘀血は痛みを生み出すことも重要なことです。

 

瘀血を改善する漢方薬のことを駆瘀血剤といい、治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)桃核承気湯(とうかくじょうきとう)通導散(つうどうさん)などがあります。

 

瘀血は基本的には西洋医学には存在しない概念ですが、実はかなりの頻度で存在しています

痛みに対して西洋医学はいくつかの薬がありますが、瘀血には全く対応できないため、西洋医学の薬が無効な状態に対し、駆瘀血剤が奏効することがあります

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