理気

理気薬といって気の流れを改善する作用のある生薬の説明です。

気が流れない場合、「不通則痛」の原則により痛みが生じます。

理気薬は気の流れを改善することにより、痛みを改善します。

しかしながら理気薬は陰や気にダメージを与えるため、症状が改善した際には速やかに休薬することが望ましいです。


1 陳皮:ちんぴ

<対応する証> 気鬱

<神農本草経> 上品

<東洋医学的効能> 消脹止嘔、燥湿化痰、理気開胃、副作用の防止

<西洋医学的薬理作用> 抗炎症作用、鎮静作用、鎮咳作用、血圧上昇作用、気管支拡張作用、腸管運動促進作用、胆汁分泌促進作用、『コレステロール低下作用、抗アレルギー作用

<代表的な漢方薬> 六君子湯、補中益気湯、疎経活血湯、通導散、二朮湯


陳皮は温州ミカンの皮のことです。

消脹止嘔とは、肺や胃の気鬱によって生じる悪心、嘔吐、胸腹脹痛、胸悶、上腹部膨満などの症状を改善することを意味します。

これにより鎮咳作用ともなります。

燥湿化痰とは、中焦(胃など)の水毒(湿)を改善することを意味します。

理気開胃は、気の流れを改善することにより中焦である胃の症状を改善し、食欲増進作用を有するという意味です。

陳皮は、他の生薬による食欲不振や胸悶などの副作用の発生を防止する作用があります。


2 枳実:きじつ

<対応する証> 気鬱

<神農本草経> 中品

<東洋医学的効能> 破気、消積、導滞

<西洋医学的薬理作用> 抗炎症作用、骨格筋緩解作用、鎮静作用、中枢抑制作用、血圧上昇作用、気管支拡張作用、平滑筋収縮作用、腸管運動促進作用、胆汁分泌促進作用、コレステロール低下作用、血小板凝集抑制作用、利尿作用

<代表的な漢方薬> 半夏厚朴湯、五積散、四逆散、通導散、清上防風湯

枳実は破気・消積といって、特に腸・胃に気が停滞している状態を改善します。

導滞とは、胃腸に気が停滞している状態を動かすことにより、便通を良くするという意味です。


3 厚朴:こうぼく

<対応する証> 気鬱、水毒

<神農本草経> 下品

<東洋医学的効能> 燥湿、除満・消脹、下気

<西洋医学的薬理作用> 抗炎症作用、鎮静作用、鎮痙作用、去痰作用、唾液分泌亢進作用、降圧作用、抗消化性潰瘍作用、抗ストレス作用、免疫賦活作用、抗アレルギー作用、抗菌作用、利尿作用、高脂血症改善作用

<代表的な漢方薬> 半夏厚朴湯、五積散、小柴胡湯、六君子湯、釣藤散、麦門冬湯


厚朴は燥湿といって、中焦の水毒を改善する作用があります。

除満・消脹とは、中焦の症状を改善することにより、胃や腸などの腹部膨満の症状を改善する、という意味です。

下気とは、気が上がっているものを下げることにより、腹部膨満や気逆を改善するという意味です。